1.
本技術は、60〜100℃で生育する超好熱菌を用いることにより、従来は不可能であると言われていた有機物を利用した高速水素生産が可能になった点に第一の特徴がある。
2.
コストのかかる食品産業廃棄物(ジャガイモデンプンなどを炭素源、豆腐・豆乳・牛乳などを窒素源)を有効利用して、効率的にバイオ水素を生産できる点が第二の特徴である。
3.
現在廃水処理で採用されているメタン発酵法と比較して、約1000倍の高速で水素を生産し、そのガス組成に硫化水素、アンモニア、COを含まないため、効果的に燃料電池に導入し、電気や熱を発生できる点が第三の特徴である。
6.
85℃程度の高温で培養するため、雑菌汚染は起こらず、ジャガイモデンプンの糊化が進み、スムースに醗酵が進行する点が第四の特徴である。なお発酵熱と自然放熱でバランスが保たれるため、特別な冷却水は不必要である。
5.
本菌はバイオフィルム形成能力が高いので、担体を培養槽に投入することにより、高濃度の菌体を容易かつ安定して得ることができる。その結果、本システムはランニングコストが安価なので、CO2排出量の大幅な低減に貢献できる。